男性不妊とは、男性側の生殖機能に問題があり、自然妊娠が難しくなる状態を指します。特に「精子の数が少ない」「運動率が悪い」「精子の形が異常」などが代表的な原因です。
妊娠は、「元気な精子が子宮へ到達し、卵子と受精する」という過程が必要です。つまり、精子の質と量が重要なのです。
男性不妊の主な原因
1. 造精機能障害(精子の数や質の異常)
最も多い原因で、以下のようなタイプがあります。
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乏精子症:精子の数が少ない(1ml中1500万未満)
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精子無力症:運動している精子の割合が低い
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無精子症:精液中に精子が確認できない状態
2. 精路通過障害(精子が通れない)
精子は作られていても、通り道がふさがっていることで外に出られないケースです。先天的な精管欠損や、過去の手術・感染症が原因になることもあります。
3. 性機能障害
射精障害や勃起障害(ED)などが原因で、性交がうまく行えず妊娠が難しくなるケースです。
4. ホルモン異常
精子を作る指令を出すホルモン(LH、FSHなど)がうまく働かないと、精子の生産が滞ります。
男性不妊の検査方法
不妊の原因を調べるためには、泌尿器科や不妊治療専門のクリニックでの検査が必要です。代表的な検査には以下があります。
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精液検査:精子の数・運動率・形状などをチェック
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ホルモン検査:血液中の性ホルモンを測定
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超音波検査:精巣の状態や静脈瘤の有無を確認
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染色体検査:先天的な異常を調べることもあります
男性不妊の治療法
治療方法は、原因によって異なります。
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薬物療法:ホルモン異常や軽度の精子異常に対して処方
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外科的手術:精索静脈瘤の修復や、閉塞部のバイパス手術など
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人工授精・体外受精:自然妊娠が難しい場合に用いられる生殖補助医療(ART)
日常生活でできる改善法
男性不妊の中には、生活習慣の改善で精子の質が向上するケースもあります。
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禁煙・禁酒
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ストレスの軽減
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バランスの良い食事と適度な運動
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長時間のサウナやノートパソコンの膝置きの回避(精巣の温度上昇を避ける)
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睡眠の質を整える
まとめ
男性不妊は決して珍しいものではなく、夫婦で協力して取り組むべき課題です。自分が原因だったと知って落ち込む方もいますが、早期に検査し、対策を取ることで妊娠の可能性は大きく広がります。
大切なのは、責任を押しつけるのではなく、「ふたりで命を育むためにできることを見つけていく姿勢」です。男性も、自分自身の体に目を向け、積極的にケアしていきましょう。