凍結胚移植(Frozen Embryo Transfer, FET)について

2023年10月27日

凍結胚移植(Frozen Embryo Transfer, FET)とは、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などの治療サイクルで受精卵を凍結し、後日解凍して子宮に戻す方法です。

 

以下に、凍結胚移植のプロセスと利点について詳しく説明します。

1.凍結胚の収集

体外受精または顕微授精の治療サイクルにおいて、女性の卵子は受精させられ、受精卵(胚)が形成されます。

通常、多くの胚が生成される場合、最も適した胚が選択され、移植されます。残りの優れた品質の胚は、凍結保存のために保存されます。

2.凍結と保存

適切な発育段階に達した胚は、液体窒素中で急速に冷却され、凍結保存されます。

一般的には、胚は液体窒素温度で保存され、数年間またはそれ以上の期間、品質を保ったまま保存されることができます。

3.解凍

凍結保存されていた胚を使用する際には、解凍が行われます。
解凍は慎重に行われ、胚の品質を損なわないようにするために特別なプロトコルが使用されます。

4.子宮内への移植

胚が解凍されたら、子宮内に戻すために移植が行われます。
子宮内への胚の配置は、通常、女性の自然な周期に合わせて行われる場合と、ホルモン補充サイクルによって制御される場合があります。

 

凍結胚移植の利点には、以下のようなものがあります。

 

1.時間の柔軟性

凍結胚を保管することで、移植のタイミングを調整することができます。
これにより、女性の体調やその他の制約に応じて最適なタイミングで移植を行うことができます。

2.成功率の向上

凍結胚の品質は、移植前に適切に評価されます。
品質の高い胚を選択し、凍結保存しておくことで、妊娠の成功率が向上する可能性があります。

3.追加の試み

体外受精や顕微授精の治療サイクルで余った胚を凍結保存することで、
将来の試みに使用することができます。これにより、追加の周期や妊娠のチャンスが生まれます。

まとめ

ただし、凍結胚移植にはいくつかの考慮事項もあります。
例えば、胚の解凍後の生存率や移植後の妊娠率には個人の要因や胚の品質によって影響を受ける可能性があります。
また、凍結胚の保存には一定の費用がかかる場合があります。
これらを踏まえ、不妊治療の専門医と相談し、自身の状況に最適な治療方法を決定することが重要です。

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